人気ブログランキング | 話題のタグを見る

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘

2017年8月22日~9月13日 Ronda de Espana【WT GT】
序盤の平坦ステージは乗り切ったものの、丘陵ステージで遅れを取った坂道は、前半戦を2分差以上を付けられていますが、総合上位には進出しています。

後半は坂道のFitnessが段々と整ってくるのに反して長期疲労(Tiredness)がバカにならない状態になってきます。
調子も悪くなりがちで、かつ能力値も全体的に下がっており、ジロ・ディタリアの頃の山にさえいれば無敵である状態からは程遠くなっています。これがグラン・ツールに3つも出る弊害なのでしょう。なにしろ、坂道の超一流な能力は山岳(MON)のみで、グラン・ツールを戦うための回復(REC)は人並みなのです。



9月2日 第11ステージ
小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03454540.jpg
登って降って登って降ってと平坦なところがあまりないステージです。
1級山岳が3つ、そして超級山岳を通り、最後に2級山岳を登ってから登りゴールです。

丘(HIL)能力上位な選手達を振り落とし、2分以上の差を縮めるためにも、坂道はここは思い切った手に出ようと思っています。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03454675.jpg
スタートして早くも緩い登り坂です。坂道は早速前の方に出て準備ですね。3人が逃げ出しました。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03454636.jpg
登りの入り口で早くも勾配が急になります。これを利用して坂道は一気にメイン集団から飛び出します。
前の方で逃げようとしている3人を早くも捉え、これを抜き去ります。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03454617.jpg
早くも一人旅です。逃げ集団は必死に坂道を追うものと付いてこられない者で分裂していますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03454691.jpg
最初の1級山岳の頂上です。これから降ります。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03454654.jpg
降りはそれなりのマイペースで降ってます。ただし、単独だとスタミナ回復はイマイチですね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03454795.jpg
2つ目の1級山岳です。マイペースで登り始めました。

必死になって追いかけて来ている選手が3人いますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03454741.jpg
2つ目の1級山岳です。

追いかけている白いジャージのアイコンは総合3位のメンティース選手ですね。結構近づいて来ています。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03454708.jpg
2つ目の1級山岳を降りきったところでメンティース選手に追い付かれました。

その後ろには有力選手達が迫っていますね。さすがに坂道をこのまま逃がすと、どれだけ差が付くか分かりませんからね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03454756.jpg
登りに転じたところで坂道はアタック。メンティース選手を振り切ります。メンティース選手は追いかけてくるのに相当体力を使っていたのか、無理して追いかけようとして却って脱落です。

しかし、その後ろに単独で追いかけてくる総合首位のランダ選手がいますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03561512.jpg
降りに入りますが、ここで追い付かせるべきかどうかの選択肢があります。追い付かせて後ろにつけば、回復が早くなります。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03561592.jpg
メンティース選手を待たずに単独で降ります。

ランダ選手がかなり近づいていますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03561580.jpg
降りでランダ選手に追い付かれました。
超級山岳では後ろに付いて牽いてもらうことにします。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03561570.jpg
ランダ選手は2位の新人賞ジャージのメンティース選手と差をつけたいようで、積極的に牽いて差をつけに来ています。
おかげで坂道は体力を大分回復できました。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03561642.jpg
2級山岳でランダ選手がアタックを仕掛けました。

坂道は貴重な体力を使って追いかけます。ここで離されたら目論見が台無しです。
しかし操作ミスでちょっと追い付くのに手間取り、かなり体力を失いました。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03561638.jpg
追い付きました。再びランダ選手に牽いてもらいます。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03561658.jpg
今まで積極的に牽いていたランダ選手の勢いが衰えました。

これはチャンス。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03561688.jpg
残り5km、アタックで置いて行きます。ランダ選手は完全についてこられません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03561696.jpg
坂道もアタックへの対処の際の操作ミスで余計な体力を失っています。
また、単独での逃げで緑スタミナ(総合)も酷いことになっていますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_03561776.jpg
赤スタミナをほぼ使い切ってゴール。ブエルタ・ア・エスパーニャでの初ステージ勝利です。

しかし残念ながらランダ選手との差は思ったよりつけられませんでした。操作ミスでのスタミナ・ロスが痛い。最後坂道はペースダウンさせられましたので。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_04043364.jpg
山岳賞も取りました。なにしろゴールを含めて1級山岳4つをトップ通過、超級山岳と2級山岳を2位通過です。追いかけてきたランダ選手も2位ですね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_04043437.jpg
総合2位に上がり、新人賞ジャージをメンティース選手から奪取しました。新人賞はジロ・ディタリアでもメンティース選手と争いましたね。
これでジャージが2つです。これからはスタート位置は最前列になりますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_04043425.jpg
チーム総合も奪取しました。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_04043439.jpg
ボーナスタイムを含めて57秒縮めましたが、まだ2分近い差があります。

山岳(MON)能力に長けた坂道の大逃げにより、付いてこられたのは山岳(MON)能力上位の3人だけ。それ以降は14分以上の差を付けられ、総合4位が16分以上の遅れと、早くも総合優勝は3人に絞られました。

メンティース選手も4分近い差ですから、実質的には山岳(MON)能力上位の坂道と総合首位のランダ選手との一騎打ちと言って良いでしょう。

ただし、この大逃げは結果的にどうだったかは微妙かもしれません。なぜならば、ランダ選手は気にしなければならない選手が坂道のみになったため、戦いやすくなったからです。追いかける選手が多ければ多いほど総合首位の選手は全員のアタックに対応しなければなりませんが、現状では坂道とメンティース選手以外の逃げやアタックは無視できます。そうなると、調子の上がらない坂道がどれだけ差を詰められるか難しいところでしょう。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_04043456.jpg
グラン・ツールでの大逃げによる1位ゴールですから、大量のボーナス経験点が入りました。



9月3日 第12ステージ
小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_21590162.jpg
降り基調で、途中に2級山岳と3級山岳がありますが、最後が平坦ゴールなので平坦ステージ扱いになっていますね。

しかしながら、この山の登りはスプリンターにはきついかもしれません。付いてこられないスプリンターもいるのでしょうか。

どちらにしろ、平坦ゴールでは坂道はもう流れ込むしかありません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_21590232.jpg
降りスタートですね。

左に総合ジャージ「マイヨホロ」のランダ選手がいます。

何か話しているのかもしれませんね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_21590280.jpg
2級山岳を登っています。集団はそろそろ逃げ集団を追いかけようとペースを上げ始めました。

逃げ集団の4人とはすでに10分近い差が付けられていますね。
小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_21590261.jpg
1つ目の中間ポイントを通過しました。

逃げ集団とは5分差にまで詰めていますが、集団は縦長になり、いくつかに分裂しています。
降りなので多分またすぐに1つになるでしょう。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_21590215.jpg
3級山岳ポイントを通過する直前です。

ペースはゆったりとしていますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_21590295.jpg
ゴール前10km直前です。逃げ集団の半分は吸収済みですが、2人がまだ逃げ粘っています。

集団ゴールです。

サガン兄貴は5位。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_21590341.jpg
上位陣に変化はありませんでした。



9月4日 第13ステージ
小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22101104.jpg
平坦ステージが続きます。
スプリンター陣にとってはしかしながらまたもや山を登らねばならず、純粋スプリンターにはきついですね。

しかしながら、坂道にとっては最後に降ってから直線ゴールという、いかにも流れ込むしかなさそうなステージです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22101221.jpg
登りスタートです。2人が飛び出し、5人が追随しようとしていますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22101210.jpg
2級山岳の頂点を過ぎました。

坂道はアラフィリップさんの後ろに付いています。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22101283.jpg
降ってから最後の3級山岳の登りに転じてます。

逃げ集団から2人がアタックし、残りは吸収されました。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22101358.jpg
残り7.8kmで逃げている選手とは2分差。これは逃げ切り濃厚ですね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22101322.jpg
結局、逃げ切りが成立ししました。
集団は1分の差が付いています。

総合上位陣には変化はありません。



9月5日 第14ステージ
小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22334106.jpg
以後は山岳ステージが続きます。ここで何とかして差を縮めたいところですね。

登り基調で緩やかに3級山岳へ向かって登り、そこから谷底へ向かって降って1級山岳を登ります。そしてそのまま高原を進み、最後はさらに登りゴールという坂道には得意なステージですね。

注意したいのは、1級山岳のあとにほとんど降りがないことですね。そのため、1級山岳の登りでアタックをかけてしまうと、回復できません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22334161.jpg
山岳ステージの優勝候補者達です。

坂道、ミケル・ランダ、ルイ・メンティースと現在の1~3位がそのまま上位に来ていますね。

この優勝候補は単純に能力値でみているため、現在のコンディションなどは関係ないようです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22334254.jpg
坂道には護衛が付きます。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22334289.jpg
山岳ポイントに指定されていない峠を登ってします。

逃げ集団は11人と少し多いですが、山岳ステージですからいずれ追い付けます。

なにより、坂道の敵はもはやミケル・ランダ選手と追いかけてくるルイ・メンティース選手しかいません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22334288.jpg
3級山岳の頂点に向かっています。これを過ぎると長い降りに入りますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22334290.jpg
谷を過ぎて1級山岳を登っています。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22334248.jpg
1級山岳の頂点に向かっています。ミケル・ランダ選手が先頭付近にいますが、さすがにまだアタックはかけてこないでしょうから、この位置で待機しています。

あまり前に居すぎると、ボトル補充のためにアシスト選手が上がってくるのに時間がかかりますし、やや緑スタミナ(総合)が減りやすいようです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22334314.jpg
1級山岳を登り終えて降りに入りました。これを利用して少し前に出ます。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22334311.jpg
2つ目の中間ポイントを過ぎました。

チームメイトが前の方に来てくれていますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22334345.jpg
最後の登りに入りました。前に逃げ集団が見えます。坂道はそろそろ発進しなければなりません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22460060.jpg
左斜め前に赤い「マイヨホロ」を着るミケル・ランダ選手がいます。この選手の出方に合わせなければなりません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22460075.jpg
「調子+1」なので、アタックします。前には先にアタックしている総合3位のメンティース選手がいますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22460009.jpg
本来の坂道の能力ならば追い付かれるはずはないのですが、付いてきたメンティース選手を振り切れませんでした。そのためにペースダウンを余儀なくされ、ミケル・ランダ選手にも追い付かれました。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22460170.jpg
残り5km、これは自力で前に出ても十分にいけるスタミナが残っていますから、前に出ます。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22460129.jpg
「調子+1」なのに振り切れません。これは相当ツール・ド・フランスのダメージが抜けていないのでしょう。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22460183.jpg
それでも最後にアタックをかけてステージ優勝です。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22460122.jpg
ゴール側からのリプレイです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22460286.jpg
結局、ランダ選手とはタイム差無し、ボーナスタイム分の4秒しか縮まっていません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22460274.jpg
山岳賞はキープしています。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22522035.jpg
小野田が山に打ち勝った!

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22522085.jpg
3位のメンティース選手とはかなり差が付きました。ほぼマッチレースの様相を呈していますが、まだ気は抜けません。

4位とはすでに坂道とは16分以上の差がありますから、もう3位までの選手は決まったようなものです。



9月6日 第15ステージ
小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22544113.jpg
山岳ステージが続きます。

またもや坂道の得意な登りゴールですね。

山岳賞も狙いたいところですが、途中の山岳ポイントを積極的に取りに行く余裕はありません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22544166.jpg
10人が逃げています。集団は容認しました。

もはや3位までの3人以外は大きな差がありますので、誰が逃げてもあまり総合上位には関係ないので、集団も容認しやすいのです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22544195.jpg
山岳ポイントにカテゴライズされていない丘を登っています。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22544290.jpg
2級山岳を登っています。

坂道の暫定の調子は「+1」ですね。なんとかしたいところ。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22544268.jpg
3級山岳の降りに入りました。逃げ集団を捕まえるべく登りの時点でペースは速くなっています。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22544206.jpg
最後の登りに入りました。
序盤から急な勾配もあります。この場所ですでに11.5%。

集団の戦闘にから2番目にヴァルヴェルデ選手がいます。ランダ選手とヴァルヴェルデ選手、この2人の組み合わせを崩さない限り、なかなか大差が付けられません。
坂道がアタックしても、ランダ選手は最初の一部をヴァルヴェルデ選手に牽かせて追ってくるので、スタミナが残っているのです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22544280.jpg
集団はヴァルヴェルデ選手が猛烈に牽いています。
その後ろにランダ選手です。

坂道楽々付いて行くことはできますが、この時点で他のチームメイトの黄色スタミナは全滅状態です。
したがって、常にヴァルヴェルデ選手のサポートを受けるランダ選手対独力で戦わなければならない坂道という図式が出来上がってしまいました。

これも、第11ステージで大逃げをしたために、ヴァルヴェルデ選手を含めた大半の選手を事実上総合優勝から脱落させたからかもしれません。そのために、ヴァルヴェルデ選手はチーム内エース争いはせずに、完全にアシストに徹しているのです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_22544364.jpg
先頭集団はヴェルヴェルデ選手に牽かれるランダ選手、それに坂道とメンティース選手という、今回のブエルタ・ア・エスパーニャを象徴するようなシーンになっています。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23074254.jpg
残り2.5km、坂道が前に出てアタックを開始します。

勾配は13.8%、級であればある程坂道の山岳(MON)能力が活きます。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23074217.jpg
完全に抜けだしました。

10%を越えるような勾配が続く状態では、先頭を牽き続けたヴァルヴェルデ選手のアシストはさすがにランダ選手も受けられず、単独で追ってくるしかなくなっています。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23074246.jpg
逃げ切りました。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23074259.jpg
これで山岳ステージは3連続でステージ優勝です。

しかしランダ選手とはわずかに15秒差しかタイム差を付けられていません。ボーナスタイムを加えても19秒だけです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23074353.jpg
山岳賞も1級山岳の登りゴールを制した坂道がキープです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23074312.jpg
新人賞です。

メンティース選手も普段ならば3位ですから当然新人賞が取れるはずですが、坂道のせいで取れません。運が悪いことです。

チーム総合は、ランダ選手、ヴァルヴェルデ選手の山岳ステージでの上位ゴールで逆転されました。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23074391.jpg
坂道が頂点に!

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23074451.jpg
総合差は1分21秒にまで縮まりました。

しかしステージ優勝をしながらランダ選手が僅差で食い下がってくるため、なかなか一気に総合タイムが縮まりません。残るステージも限られてきています。



9月7日 第16ステージ
小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23154713.jpg
ひたすら登って降る山岳ステージです。山岳ポイントはゴール地点を含めて7か所で、それ以外にもいくつかの峠の頂点があります。

ただし、中盤までの3つの山岳ポイントは3級ですから、勝負はやはり終盤でしょう。坂道としては、駆け引きなしで山岳能力で押し切れる最後の登りゴールで勝負したいところです。一方で降りや繋ぎ部分をからめられて1つ前の1級山岳でアタックがかかると面倒ですね。

強力な山岳アシストがいれば、1級山岳で前で牽かせてハイペースにし、アタックを封じる手もあるのですが、単独での山岳の戦いを強いられている坂道には、余計なスタミナを使ってしまっては一貫の終わりですから、最後の登りまで何もないことを願うばかりです。

このステージは、坂道にとってはブエルタ・ア・エスパーニャの最後の勝負どころです。

この第16ステージの登りゴールの後は、休養日ですから、思い切ったスタミナの使い方も出来ます。
また、この後は平坦タイムトライアル、丘陵ステージ2つ、降りゴールの山岳ステージ、平坦な最終ステージと続きますから、坂道にとって分差を付けられるようなステージはここしかないのです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23154734.jpg
最初の3級山岳は集団で登りましたが、山頂でアタックがかかりました。降りを利して逃げる作戦でしょう。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23154744.jpg
2つ目の3級山岳の頂上を越えました。

逃げは5人ですが、さらに2人が加わろうと道を急いでいます。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23154791.jpg
一旦降って3つ目の3級山岳を越え、1つ目の中間ポイントです。

ポイント賞はミケル・ランダ選手が総合タイムと共に二冠、メンティース選手が続いています。そのため、現在ではメンショフ選手は新人賞ジャージでなくポイント賞ジャージを着ていますね。

総合賞>ポイント賞>山岳賞>新人賞の順番でジャージが優先されます。

ちなみに、本来ならばブエルタ・ア・エスパーニャには、総合タイム、ポイント、山岳ポイントの三部門の合計順位を基にした複合賞というものがあり、これが白いジャージなのですが、このゲームでは全てのステージレースは統一規格にされてしますので、その総合賞部門はありません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23154722.jpg
2級山岳を降りています。

逃げ集団の脱落者がポロポロと吸収されていきます。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23154872.jpg
4つ目の3級山岳の登りで逃げ集団が吸収されました。総合首位のランダ選手のチーム「フォスティナ」が積極的に前を牽いていますね。

チームメイトも3人がタイム・オーバーで失格して6人で戦っています。
まあ平地向けの選手で山岳苦手な選手ばかりなので、どちらにしろあまり影響はありません。むしろ、山岳苦手な選手がボトル補充担当とかになると却って迷惑な部分はあります。

もっとも、チームとしてはまだ平坦ステージが1つありますから、サガン兄貴のためには不都合でしょうが。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23154891.jpg
3級山岳ポイントを通過していきます。
坂道をぴったりとマークするかのように総合首位のランダ選手がいますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23154862.jpg
ゴールから1つ前の1級山岳を登っています。ランダ選手も坂道のアタックを警戒しているのでしょう。なにしろ、3位のメンショフ選手ともすでに4分以上の差があって安全圏ですから、もはや相手は坂道しかいないのです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23154810.jpg
このままではまずいので、坂道はアタックします。逃げ切りを狙うつもりではありません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23154958.jpg
急いでランダ選手がアタックしてきました。もはやヴァルヴェルデ選手では追い付かないペースで上がってきていますから、ランダ選手が独力で追い付いてくるしかありません。こうして、最後の登りゴールを前にランダ選手のアシストを剥がしにいったのです。

坂道はすかさず後ろに付きました。

後ろからさらに総合3位のメンショフ選手も追い付こうと必死ですね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23335081.jpg
ランダ選手は案に相違して積極的に降って行きます。坂道はペースを見極めて回復したいところ。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23335091.jpg
ランダ選手は登りゴールの入り口でアタックです。

坂道はこれに対し、赤スタミナ(無酸素)を使わずにペースで追います。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23335181.jpg
追い付きました。もはやランダ選手にスタミナは残っていないはずです。

しかし坂道にもスタミナに不安があるのは確か。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23335186.jpg
坂道がアタックです。

さすがにランダ選手には追い付いてくるだけのスタミナはありませんでした。
しかし坂道も決定的に差を付けるだけのスタミナは残っていません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23335111.jpg
最後は坂道もランダ選手もヘロヘロになりながらのゴールです。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23373763.jpg
坂道はこれで山岳ステージ4連勝です。

しかしながら、ランダ選手は決定的に遅れることなく付いてきたため、ついに2分の差を埋めきることはできませんでした。

普段の坂道の調子ならば、山岳ステージ4連勝もすれば、ライバルははるか遠くに行くはずなのですが、決定的なところで長期的な疲労もあり、能力値低下とスタミナの低下が響いています。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23373751.jpg
山岳賞は維持しています。

もはや坂道はこの山岳王の称号だけは死守しなければなりません。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23373718.jpg
新人賞とのニ冠ではありますが、ランダ選手が総合首位とポイント賞のニ冠ですから、見劣りしますね。

しかしそれでも、三大ツールの一つ、ブエルタ・ア・エスパーニャでのこの成績です。しかも、ジロ・ディタリア総合優勝、ツール・ド・フランス総合2位及び山岳王と激走の上での成績ですから、満足すべきなのかもしれません。

現実にこんな選手いたら、すごいことになりますね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23373781.jpg
小野田が頂点に!

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23373877.jpg
勝負はほぼ決しました。登りゴールの山岳ステージはこれで終わり、あとは平坦なタイムトライアルと、丘陵ステージ2つに降りゴールの山岳ステージ、そして最終の平坦ステージと、坂道が差を付けられるステージが無く、むしろタイムを失わないようにするしかありません。

特にタイム・トライアルが鬼門です。坂道は総合優勝をするためには、このステージで最低でも逆転しておくしかなかったのです。ランダ選手も純粋なクライマーでタイム・トライアルは苦手な方ですが、坂道は輪をかけて不得手ですからね。

小野田坂道はツールを目指す 第31回 ブエルタ・ア・エスパーニャ その2 三つ巴の死闘_e0406215_23570355.jpg
経験値ボーナスです。


次回はそのブエルタ・ア・エスパーニャの最後の5ステージ、そして本年度の最後の2つのレースです。

by Pro_Cyclist | 2019-03-30 22:55 | 小野田坂道はツールを目指す

Pro Cyclist Manager 2015でツール・ド・フランスを目指す


by Pro_Cyclist